「女性リーダーとしての歩き方」

勝木 奈美子(かつき なみこ)様

勝木 奈美子(かつき なみこ)様
東洋経済新報社 編集局企業情報部長

山倉 千賀子(やまくら ちかこ)様

山倉 千賀子(やまくら ちかこ)様
株式会社ガンバリオン 代表取締役社長

佐々木 久美子(ささき くみこ)様

佐々木 久美子(ささき くみこ)様
株式会社グルーヴノーツ 代表取締役会長

清水 弘一(しみず こういち)様

清水 弘一(しみず こういち)様
株式会社リンクトブレイン 取締役

午前中に大ホールで行われた「女性リーダーとしての歩き方」についてのレポートです。

午前中のセッションでしたが、会場だった大ホールには多くの人が集まっていてセッション内容の注目の高さを感じました。

内容的に女性が多いセッションかな?と思っていたのですが、実際は男性も多くおられたのが印象的でした!

セッションは登壇者の自己紹介から始まりました。


・勝木奈美子さん(東洋経済新報社)

東洋経済新報社は今年120周年という歴史の長い企業ですが、社員247人のうち58人が女性とのこと。経済専門ということで男性ばかりなのかな?と思ったのですが、4分の1が女性とは驚きました。役職者も女性が17%いるそうです。

女性の採用に積極的な企業とのこと。

勝木さんは「外国語を使う仕事をしたい」ということで、英文の雑誌があったことで大卒後すぐに入社されたそうです。


・山倉千賀子さん(株式会社ガンバリオン)

山倉さんはゲームが好きでゲームショップのアルバイトをしていて「どうしてもゲームを作る側に行きたい!」ということで、テクノソフトの営業になり、その後起業されたとのこと。

自分がやりたいことを諦めずに行動する行動力はホントに素敵だなと感じました。


・佐々木久美子さん(株式会社グルーヴノーツ)

「福岡から出たことがない!なかなか外に行かない人」で有名という佐々木さん。

初めはゲーム開発の会社だったそうですが、クライアントからバックエンドの要望が多かったとか。

ゲーム会社(通信が必要なもの)や流通・車などのクライアントにプラットフォームを利用してもらっているそうです。


■皆さんの詳しいプロフィールはこちら
http://fukuokait.com/session/#session2

このセッションは、お題について登壇者の皆さんが順にお話される形式でした。

お題「女性の社会進出が急速に進む中、働く女性の昔と今」

勝木さん

上場企業には今年からガバナンスコードが導入され、その中に女性の活躍促進が加えられるなど、女性活用への関心が急に高まっている。

昔は結婚後は男性に扶養される女性が多く、経済的にも女性が無理に働かなくてもよいという考え方が主流だったが、今は事情が変わっていると思う。

山倉さん

ゲーム会社は男性社会で、昔は女性は1割程度だったが、今は2~3割。

結婚しても退職しない、仕事を続けるのが当たり前になってきた。また、結婚したら仕事をやめて欲しい、という男性も減ったように感じるし、一緒に働いてほしいという人が増えている。

佐々木さん

キャリアはプログラマとしてスタートしたが、男性しかいなかった。

男性とか女性とか考えて仕事を選んではいないが、部下は女性が増えたしそういう女性を引き上げたいと考えるようになった。

実際に働いている女性への制作は変わっていないのでは?女性・男性はこうあるべきみたいなものを変えていかないといけないと思う。

<モデレーター>清水さん

最近ゲーム業界は女性が増えてきたと感じる。

昔は女性ファッション誌の編集すら男性が多かった。(編集者が男性だったり)

業界の違いはありますか?

勝木さん

松本清張の編集者は女性。出版は昔から女性が活躍しやすかったと思う。

山倉さん

ゲーム業界は、昔は女性といえばデザイナー一択だったが、今はプランナーも増えている。でもプログラマはやはり女性が少ない(数学的な思考は大事だと思う)

子供の頃、女の子もゲームで遊ぶことがあったから就職先としてゲーム業界に来ているのかもしれない。

佐々木さん

女性は細かい配慮がある。キチンと片付けるというか。

また最近は女性のプログラマが増えてきたと感じるが、ゲームの影響があるのかも?

お題「女性リーダーとして、これまでの苦労や課題など。」

<熱心にメモを取ったりしている方が多くいました>

佐々木さん

苦労は男性と一緒に客先に行くと「彼氏?」と言われる。

そういう目で見られるのはバイアスの話と思うけど、昔も今も変わらない。女性がリーダーになると、一部拒否反応があったりもした。

<拒否反応の乗り越え方は?>

一緒にやる上でのやりやすさを感じてもらう。それを意識していくことで「この人と一緒にやりたい」と思ってもらえるようになる。

山倉さん

「女性は結婚したらすぐ仕事辞めるんじゃない?」とか、会社を設立したときは「パパがいるからできるんじゃないの?」と言った女性蔑視と取れる発言もあった。

でも女性として得することが多かったと思っている。あまり男とか女とか気にしない。ポジティブな性格だなって思っている。

勝木さん

女性ということで珍しがられて名前を覚えてもらいやすい(日本は今でも)

記者は女性が少ないので。女性はコミュニケーション能力が高いし、相手の感情を察する力が高いのでは?

<女性の起業について>
佐々木さん

2011年に起業。オファーをもらっていた会社に入ろうと思っていたが、震災があったこともあり起業することに。

今は起業ブームなところがあって、相談する場所も昔に比べたら増えていいなと思う。

あと起業するから時間が自由になるというわけではないので、そこはしっかり考えておくべき。(業種によると思うけど)

お題「働く女性リーダーの価値とは?」

勝木さん

東洋経済でいま取り組んでいる「WORK AGAIN」(ワークアゲイン)というプロジェクトについて紹介したい。

WORK AGAINとは、子育てでリタイアした女性のスキルが勿体ないので、もう一度活かしてもらおう!と、新しい働き方を提案している。今年初めに臨時増刊の雑誌を出し、現在はネットで情報を発信している。

■「WORK AGAIN」サイトはこちら
http://toyokeizai.net/category/259

山倉さん

社長になりたくてなったわけではないが…。

女性としての特性を活かせる場を選べばいいと思う。

佐々木さん

女性がリーダーになって女性を引き上げないといけないと思う。

(男性目線ではなく、結婚・出産・育児を経験した女性の意見を大切に)

男性が作った社会システムだから、本当に優秀な女性を引き上げる仕組みもが必要。

最後に

今回は登壇者3名の方がお題についてお話いただく形式でしたが、女性リーダーとして活躍されている皆さんのご意見、本当に勉強になりました!
お話を聞いてお三方に共通してるかな?と感じたのは「望んでリーダーになったわけではないけど、いつの間にかなっていた」というところかなと。 自分のやりたいことをがむしゃらにやっていて、気づいたら結果として今のポジションにおられるというか。 やりたいことを一生懸命やる大切さを改めて感じました。
あと「女性」というのを理由にやりたいことを我慢したり諦めたりする時代も終わったのかなぁと。
とても刺激になったし素晴らしいセッションでした。
皆様、お疲れ様でした!

レポーター
松本 典子
フリーランスwebデザイナー/ディレクター
http://zuvuyalink.net/

セッション動画